デジタル時代の心の距離

ネットで見かける「気になる情報」、どう信じればいい?〜偽情報から大切な人との繋がりを守るには〜

Tags: 情報リテラシー, 偽情報, オンライン詐欺, 人間関係, デジタル社会

はじめに:広がる情報の海、どこまで信じれば?

スマートフォンが当たり前になり、インターネットで様々な情報に触れる機会が増えました。ニュースを読んだり、調べ物をしたり、離れて暮らす家族や友人と連絡を取ったりと、私たちの暮らしは便利になっています。

しかし、同時に「これって本当かしら?」「なんだか怪しいな」と感じる情報に出会うことも増えているのではないでしょうか。インターネット上には、役に立つ情報のすぐ隣に、間違った情報や、私たちを騙そうとする意図を持った情報が紛れていることがあります。

このような不確かな情報に触れると、不安になったり、戸惑ったりします。「うっかり信じて誰かに迷惑をかけたらどうしよう」「自分だけが騙されてしまうのではないか」と心配になり、それが原因で人との会話がおっくうになったり、少し孤独を感じたりすることもあるかもしれません。

この記事では、インターネットで見かける様々な情報、特に注意したい「偽の情報」について、なぜ増えているのか、それが私たちの生活や人間関係にどう影響するのかを分かりやすく解説します。そして、大切な自分や周りの人を守るために、情報の波に冷静に向き合うためのヒントをお伝えします。

なぜインターネットには怪しい情報が多いのでしょうか?

インターネットは、世界中の誰もが自由に情報の発信や受け取りができる素晴らしい仕組みです。新聞やテレビのように、特定の誰かが情報をチェックしてから出す、という決まりはありません。

そのため、残念ながら、中には以下のような情報が紛れ込んでしまうことがあります。

インターネットが「誰でも発信できる場所」であるがゆえに、様々な情報が玉石混交(ぎょくせきこんこう:良いものと悪いものが混ざり合っている状態)となっているのです。

怪しい情報が私たちの心や繋がりに与える影響

このような怪しい情報に触れることは、私たちの生活に様々な影響を与えます。

このように、インターネット上の不確かな情報は、単に知識の間違いで終わるだけでなく、私たちの心に影を落とし、周囲の人との大切な繋がりにも影響を及ぼす可能性があるのです。

情報を見極めるための落ち着いた対処法

では、情報の波にのまれないためには、どうすれば良いのでしょうか? 技術的な詳しい知識がなくてもできる、いくつかの簡単な心がけをご紹介します。

  1. すぐに信じ込まず、一旦立ち止まる: インターネット上の情報は、すぐに広まります。特に「急いで!」「今すぐ!」といった言葉で行動を促すものは注意が必要です。まずは落ち着いて、「本当かな?」と一呼吸置いて考えてみましょう。
  2. 情報源を確認してみる: その情報は、誰が発信しているのでしょうか? 知らない個人でしょうか? 有名なニュースサイトや公式な機関でしょうか? 出どころがはっきりしない情報や、聞いたことのない怪しい名前のウェブサイトには注意が必要です。例えば、病気の情報なら、病院や公的な医療機関のサイトかどうか確認する、といったことです。
  3. 他の情報源と比較してみる: 一つの情報だけを鵜呑みにせず、同じことについて他のニュースや信頼できそうなウェブサイトで調べてみましょう。複数の情報源が同じことを言っているか確認すると、情報の確かさを判断する手がかりになります。
  4. 「うますぎる話」は疑ってかかる: 「寝ているだけで簡単にお金持ちに」「〇〇するだけで病気が完治」など、努力せずに良い結果が得られるといった都合の良い話は、ほとんどの場合が偽りです。「そんなうまい話があるわけない」と冷静に疑う姿勢が大切です。
  5. 個人情報やお金の話には特に慎重に: 見覚えのないメールやメッセージに書かれているウェブサイトのリンクを安易にクリックしたり、氏名、住所、銀行口座、クレジットカード番号などの個人情報を入力したりすることは絶対に避けてください。公的な機関や大手企業が、メールやSMSで個人の大切な情報を聞き出すことは基本的にありません。
  6. そして、何よりも「誰かに相談する」: これが一番大切です。怪しい情報に触れて不安になったり、「これってどうかな?」と迷ったりしたら、一人で抱え込まずに、信頼できる家族や友人、地域の相談窓口(地域包括支援センターや消費生活センターなど)に相談してみてください。「こんなこと聞くのは恥ずかしい」と思う必要は全くありません。相談することで、冷静な意見をもらえたり、一緒に解決策を探せたりします。誰かに話すだけで、気持ちが楽になることも多いものです。

デジタル技術の良い面も忘れずに

ここまで怪しい情報についてお話ししましたが、もちろんデジタル技術には素晴らしい面もたくさんあります。離れて暮らす家族と顔を見ながら話せる「ビデオ通話」や、昔の友人と再び繋がれるSNS、趣味や関心のある情報をすぐに調べられる検索機能など、私たちの生活を豊かにしてくれるツールがたくさんあります。

大切なのは、これらの便利な道具を「賢く、安全に」使うことです。そして、デジタルな情報だけに頼るのではなく、実際に顔を合わせて話したり、電話で声を聞いたりといった、昔ながらの「人との温かい繋がり」も大切にすることです。

まとめ:情報の波を乗りこなし、人との繋がりを力に

インターネットは、時に私たちの心をざわつかせ、不安にさせるような情報も運んできます。しかし、情報の見極め方を少し知っているだけで、必要以上に怖がることはありません。

「立ち止まる」「確認する」「比較する」「うますぎる話は疑う」「個人情報を守る」。そして何よりも、「誰かに相談する」という心がけが、デジタル時代の情報の波を乗りこなすための大切な羅針盤となります。

不確かな情報から自分自身を守り、安心してデジタル技術を使うことは、豊かな人間関係を築き、維持していくためにも繋がります。もし迷ったり困ったりした時は、遠慮なく周りの人を頼ってください。デジタル時代でも、人との温かい繋がりこそが、私たちにとって一番の安心であり、力になるのですから。